ヴァシュロン・コンスタンタン「フィフティーシックス」

「こんにちは……」。入り時間の1時間前、UTAはひとりでスタジオにやってきた。カメラも照明もないガランとした空間を見て、すぐに事態を察したようだ。

「僕、やっちゃいましたね……1時間まちがえました。タイムマネジメントが少し苦手で、気をつけるようにしているんですが……」

190センチの大きな体を折り曲げるように恐縮している。遅刻は困るが、早く来るのはかまわない。撮影後に行う予定だったインタビューを先に行うことにした。

「アメリカへ渡ったのは、バスケットボールの選手を目指していたからなんです。そんな中、縁あって去年から学生をしながらモデルの仕事をはじめて、ここ最近は生活の拠点を東京にしています。12歳で日本を離れて、中学はスイスへ、高校から米国へ。年に数回は長期休暇のときに帰ってきてはいたんですが、やっぱり日本が落ち着くなと感じています。環境も人も食べ物も自分にあっている。最後に住んでいたカリフォルニアはゆったりとしているのに対して、日本は時間にスピード感がある。そういうところも楽しめています」