皇帝ニコラス2世に時計を献上するなど宮廷御用達時計の名声を得ており

20世紀初頭、ロシア帝国で栄華を誇っていたロマノフ王朝において、宮廷貴族の腕を飾るスーパーコピー腕時計がティソに依頼された。ティソは、19世紀にはロシア向けにエレガントなペンダントウオッチを製作し、皇帝ニコラス2世に時計を献上するなど宮廷御用達時計の名声を得ており、そうしたことから極めて独創的な時計が完成した。それがこの「バナナ・ウォッチ」で、たちまち貴族たちを虜にした。ところが翌年ロシア革命が勃発し、帝政ロシアは終焉を迎えてしまう。そして一世を風靡したバナナ・ウォッチもわずか1年たらずで製造終了し、伝説の時計になってしまった。

しかしこうした激動の歴史に翻弄されつつも、終了から78年を経た1995年に復刻された。新作はクラシックロゴに、カレンダーや秒針さえも省いたドレッシーなスタイルが、アール・ヌーヴォー当時の優雅な時を刻んでいる。100年の歴史を持つ時計だが、男女問わず、シェアウオッチとしても活用できる稀有な存在だ。

映画「アンナ・カレーニナ」は、ロシアの文豪トルストイの同名小説を映画化した作品で、19世紀末のロシアを舞台に、政府高官の妻アンナが、騎兵将校と出会い、禁断の恋に堕ちていく様子を描いている。
アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞した本作は、毛皮もアクセサリーもすべて本物で、豪華絢爛な衣装を観ているだけでも優雅で幸せな気持ちになる。

と同時に、時代も階級も、私がいる場所とは遥か遠くに感じる。でも、ロシアの貴族たちも湾曲したケースを見て「バナナだ」と呟いたかもしれない、と想像すると、そんな貴族たちが少し近くに感じられるのだ。