貴族たちを虜にした伝説の時計「バナナ・ウォッチ」

大河ドラマ「徳川慶喜」で皇女和宮を演じることが決まったとき、脚本家の田向正健さんから「座っているだけで品格を感じさせる女性になってください」と、言われた。それは撮影が始まる一年前のことだった。
「品格を感じさせる…どうすればよいのだろう…」考えてみたがわからず、まずは立ち居振る舞いから身に着けようと思った私は、お茶のお稽古を始めた。そして家では浴衣で過ごし、部屋に正座しては「品格ってなんだろう」と考えた。が、いつまでも「品格」についての明確な答えは出なかった。

撮影が始まって、田向さんに再びお会いしたとき、そのことを素直に話した。「ずっと品格というものを考えていたのですが、よくわかりませんでした」と。田向さんは「大丈夫です。もう、身に着いてますよ」とおっしゃってくださった。本当に身に着いていたのかはいまもわからない。けれど、品格とは?と考える時間が私には必要だったのだと思う。